一般社団法人 日本民間放送連盟

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会長会見

広瀬会長会見

【日 時】 平成22年5月27日(木) 午後3時15分~4時
【場 所】 グランドプリンスホテル赤坂 別館5階「ロイヤルホール」

1.地デジPRミニ番組「全国一斉地デジ化テスト」の放送について

  • 民放連からの発表:民放連では、地上デジタル放送への移行促進を図るため、NHKと共同で、地デジPRミニ番組「全国一斉地デジ化テスト」を制作し、全国の地上民放テレビ全127社とNHKを通じて、7月4日(日)午後5時59分から1分間、全国一斉に放送する。この番組の出演者は、地デジ推進キャラクターの「地デジカ」とNHK・在京民放テレビ5社の地上デジタル放送推進大使である。企画意図は、アナログ放送とデジタル放送で異なる内容の番組構成とし、アナログ放送を見ている視聴者には、アナログ放送停波時のテレビ画面(いわゆる“砂嵐”)のイメージを映し出して警鐘を鳴らし、早めのデジタル対応を呼びかけ、その一方で、デジタル放送を見ている視聴者には、2台目テレビ以降のデジタル対応をお願いするというもの。来年7月のアナログ放送終了まで残り1年余りとなり、視聴者の皆様にデジタル対応を強く働きかけて行く必要があるので、この番組の放送を契機として、地上デジタル放送への移行促進PRの取り組みを強化していきたい。

 

2.民放連会長3期目の抱負について

  • 記者:民放連会長3期目にあたっての抱負をうかがいたい。
  • 広瀬会長:民放連会長としての最大の役割は、1年後に迫っている地上テレビ放送のデジタル化を完遂することである。最近の調査でようやく普及目標の数値を上回ったが、実態はまだまだという段階だ。二番目は番組問題である。放送事業者の自律を確立させるためには、BPOを定着させる必要がある。BPOには多くの苦情が寄せられているが、これはBPOの存在感が向上している証しであり、その面ではよいことだと思う。もう一つはテレビが様々なデジタルメディアの中で優位性を保つことである。iPadなどの出現で、競合するメディアが急速に台頭しているが、テレビのデジタル化が仮にいまから10年かかっていたら、競争に負けていたかもしれない。幸いなことにテレビのデジタル化が早期に完結できそうなので、引き続きメディアとしての優位性を示していきたい。

 

3.民放テレビ各社の決算および今後の見通しについて

  • 記者:各社決算が発表されているが、民放の収益動向について、どのような見通しを持っているか。
  • 広瀬会長:前年度の中間決算の際には60社以上が赤字だったので、通期では半数近くが赤字決算になるのではないかと危惧していた。民放の場合、上場している社が少ないため、現段階では全貌はつかめないが、この1~3月期に持ち直した社も結構あるので、中間決算の段階からはだいぶ改善されたものと見ている。ただし、今後、収支状況がよくなるかといえば、そう簡単ではないだろう。広告量は持ち直したとしても、デジタル設備投資やアナログ設備の廃棄費用などが経営を圧迫するため、今後も厳しい状況は続くものと考えている。

 

4.地上デジタル放送について

  • 記者:総務省が5月25日に発表した「浸透度調査」による地デジの普及状況をどのように評価しているか。また、この中で「CATV以外の受信方法での未達成世帯率」が比較的高いことについて、どう思うか。
  • 広瀬会長:浸透度調査結果によると、3月時点の全国の地デジの世帯普及率は83.8%で、計画目標数値の81.6%を2.2ポイント上回る結果となり、ほっとしている。これは放送事業者の努力もさることながら、エコポイント制度を作った前政権やデジサポなど関係者の努力のおかげだと思う。これで“デジタル化をスケジュールどおり終えるのは無理”という声は少なくなるだろう。ただし、内容をみると、決して安心できるものではないと感じている。ケーブルテレビによる視聴については97.2%が視聴可能となっている一方、それ以外の視聴に関しては、まだ未対応が多い。民放連の試算では、今後、全国で約500万世帯が対策を要するという結果となった。その原因はいろいろと想像できる。送信側でいえば、沖縄や岩手、長崎など中継局の設置が難しい地域は対応が遅れており、これらの対応を早急にしていく必要がある。このほか、対応が必要な500万世帯のうち、多くの割合を占めるであろう経済的ハンデを負っている方々への対策も必要となる。これに加えて、東京・大阪地区での集合住宅共聴やビル陰共聴対策もやっていかなければならない。これらはテレビでの周知だけでは十分ではないので、まずキー局から対応すべく、東京・横浜など南関東のデジタル未対応に関して特別措置チームを組織する計画である。

 

5.放送法改正案について

  • 記者:放送法改正案が電監審の権限強化を削除する形で総務委員会を通過したが、その感想は。また、NHK会長の経営委員会への参画について、広瀬会長は国会で賛成の意見を述べたが、それはなぜか。
  • 広瀬会長:電監審の権限強化については、民主党が野党各党の申し入れを受け、原案から削除した点は評価したい。原案のままでは、行政指導がしやすくなり、いたずらに放送内容への介入を招き、放送事業者としては安心して事業を行うことができなくなる。また、NHK会長が経営委員会に加わることについて、私は衆議院の総務委員会で発言したが、その趣旨は、まず、NHKの肥大化が進んでいた時期、NHK職員による不祥事が相次いだのを契機に経営委員会が予算規模の縮小などを提言し、執行部がこれに従ったことがある。そうした意味では、経営委員会の機能は非常に重要である。経営委員会にNHK会長が加わることにより会長の権限が強くなることには問題もあるかもしれないが、一方では経営委員会と執行部が対立し、責任のなすり合いをするようなことは避けるべきだと思う。NHKと民放の二元体制を維持していくためには、責任主体を明確にするべきであり、長い目で見れば、会長が責任を持つ形が望ましい。今回は、経営委員として民放経営の経験がある方が入るので、こういった構造が確保され続ければ、会長が経営委員会に入っても問題はないのではないかと思う。

 

6.インターネットラジオについて

  • 記者:民放ラジオ社がインターネットによるサイマル放送を始めたが、これをどのように評価しているか。また、NHKが同様のサービスを開始したい意向を示しているが、民放連の考えはどうか。
  • 広瀬会長:今回、民放ラジオ各社が始めた「radiko(ラジコ)」というサービスについて、民放のラジオ関係者は“非常によい試みだった”と評価している。近年は色々なデジタルデバイスが出てきて、ラジオは音質的にも有利ではなくなってきている。ラジオがデジタル化すれば、その問題は解消するかもしれないが、それには莫大な設備投資をしなければならない。そのような状況の中で、インターネットによるパソコン向けの放送を行ったところ、評判がよかったので、今後、定着する可能性もあるのではないか。一方、NHKについては、NHKがこうした“放送と同時のインターネット配信サービス”を始めるには、NHKの業務を定めている放送法(現行法の第9条)を改正する必要があるので、今回は見送ったが、ゆくゆくは実施したいと考えているのではないかと思う。ただし、ラジオの将来像を考えれば、デジタル化に費用がかかるとしても、インターネットを使ったサービスが恒久的な対応ではなく、デジタルラジオを模索していくことになるのではないかと思う。
以 上