会長会見

井上会長会見

【日 時】 平成28年9月15日(木) 午後2時~2時30分

【場 所】 民放連3階会議室

 

◆会見の質疑に入る前に、井上会長から以下の発言があった。

・今週発売の雑誌で、私が「地域免許を原則とした放送行政を考え直す時期に来ている」と述べたと報じられているが、そのような発言は全くしておらず、民放連として編集部に抗議したところだ。

・私は「地域免許制のもとで多数のローカル局が存在しており、その中で、行政がインターネット同時配信を推し進めようとするならば、しっかりとした議論が必要だ」と述べたものである。

・「私企業の統廃合ということは、簡単にできるものではない」こともはっきり述べたにもかかわらず、異なる趣旨で取り上げられてしまい、大変残念である。

・こうした地域免許に関わる報道内容は、民放事業の根幹に触れるものであり、誤解を広げないよう、あえて言及させていただいた。

 

 

リオデジャネイロ・オリンピックについて

◆記者:リオデジャネイロ・オリンピックの放送について、総括をお願いしたい。

◆井上会長:今回のオリンピックは、過去最多41個のメダルを獲得するなど、日本選手の活躍が著しく、現地のインタビュー対応も忙しかったようだ。日本のスポーツ界にとっても大変喜ばしいことだし、応援された視聴者・聴取者の皆さんも、おおいに盛り上がったのではないか。

民放テレビでは、地上テレビ放送で約245時間、BS放送で48時間にわたって熱戦をお伝えした。また、ラジオは、大会前と大会期間に合計6つの民放ラジオ統一番組を全101局で放送した。放送以外でも、インターネット配信サイト「gorin.jp」でライブ配信を大幅に拡充した。

それに加え、各局のニュース・情報番組でも、オリンピックに関する話題を多角的に取り上げ、大会の盛り上げに一役買えたように思う。

また、今回は特に現地の治安や準備の遅れが懸念されていたが、関係者が一丸となって努力した結果、無事に放送を実施することができた。すべての関係者の皆さんに敬意を表したい。

収支については、セールス収入でメディア権料や番組制作費などを含めた費用の総額を賄うことはかなわず、赤字となった。具体的な数字は公表しかねる。

支出の大部分を占めるメディア権料が高騰しており、根本的な改善策はいますぐには浮かばない。厳しい状況であることは理解している。

この後には、平昌(ピョンチャン)大会、そして東京大会が控えている。これまでの経験と実績を活かし、世界に発信できるよう準備を進めて行きたい。

◆記者:NHKは大会期間中を通じて積極的に同時配信を実施したが、これをどう考えるのか。

◆井上会長:以前から申しあげているとおり、NHKの同時配信は受信料との整合性の問題がある。今回は民放も「gorin.jp」を充実させており、NHKとしてもオリンピックという特別な事例として実施したと理解している。

◆記者:競技中継の視聴率の上位をNHKが占めているが、中継する競技の見直しは考えないのか。

◆井上会長:どの競技が注目を集めるか、事前に予測はできない。私見だが、編成面や民放局同士の連携など、工夫できるところはあるのかもしれないと思う。今後、オリンピック放送等委員会を中心に、関係者で検討することになると思う。

◆記者:パラリンピックへの取り組みは、どのようにお考えなのか。

◆井上会長:パラリンピックの放送権はNHKが持っているが、民放としてもさまざまな番組で放送し、選手の皆さんががんばっている姿を多くの方たちに伝えたいと考えている。

 

 

4K・8K放送について

◆記者:4K・8K放送についての検討状況をうかがいたい。

◆井上会長:本日9月15日から、BS実用放送におけるソフト事業者の公募が実施される。民放各局はそれぞれ対応を検討しているところであり、締め切り後に申請受付結果が公表されると、参入希望者の全体像が見えてくるものと思う。民放事業として4K実用放送を実施するには、4K用の設備投資や制作コストに見合った収益を確保できるビジネスモデルが不可欠。そうした視点で、BS試験放送の実施状況や視聴者の反応、受信機の開発動向などを見極める必要がある。

◆記者:民放連として、どのような取り組みが必要だと考えているか。

◆木村専務理事:制度面からの検討や、行政に適切な支援を求めていくなどの取り組みは、民放連として必要だと考えている。

 

 

コンテンツを巡る競争について

◆記者:スポーツなど重要なコンテンツの放映権を放送以外の動画配信事業者が獲得している現状を、どう考えるのか。

◆井上会長:事業者として採算がとれると判断されてのことだろうが、正直、金額を聞いて驚くことがある。民放事業者にとってスポーツは重要なコンテンツであるが、コンテンツを巡る競争はこれからますます激しくなっていくだろう。

◆記者:制度面で放送より自由な通信事業者が参入してくる現状を、手をこまねいていていいのか。

◆井上会長:放送事業者に何の権利も残らないとしたら困るが、広告民放は無料で楽しんでいただける。視聴者の皆さんも、スポーツ中継が全て有料になると困る、という点は考えてほしい。

 

 

視聴率調査について

◆記者:ビデオリサーチは10月から関東地区のテレビ視聴率の調査設計を変更し、世帯数を900世帯に増加するほか、通常のリアルタイム視聴に加え同じ世帯でタイムシフト(録画)視聴の測定を行うと発表したが、民放のビジネスに対する影響はどうなのか。

◆井上会長:調査対象世帯の増加は、調査結果の精度向上につながるので望ましいことである。タイムシフト視聴は、今までの視聴率に反映されていなかったテレビ視聴を捉えた指標である。多様化するテレビ視聴の実態把握と、テレビメディアの価値提示に寄与するものと考える。

一方で、ビジネスでのデータ利用方法など、課題も多いと聞いているので、今後、担当部門で検討することになるだろう。

 

 

NHKについて

◆記者:NHKの石原経営委員長はインターネット配信からも受信料を徴収する考えを示しているが、これをどう考えるのか。

◆井上会長:現行の受信料制度は、NHKのテレビ放送を受信できる機器を設置した世帯から受信料を徴収する仕組みであり、NHKの同時配信を視聴することは、受信料の徴収対象になっていない。今回の発言は経営委員長の私見だと思うが、NHKとしてどう考えているのか、スタンスをはっきりさせてほしい。受信料を支払う国民に対して、納得のいく説明が必要ではないか。

 

 

JASRACの審判請求取り下げについて

◆記者:音楽著作物使用料の徴収方式を巡り、公正取引委員会が日本音楽著作権協会(JASRAC)に出した排除措置命令について、JASRACが取り消しを求めた審判請求を取り下げたが、これをどう考えるのか。

◆木村専務理事:明日、JASRACが会見を行って詳細を説明されると聞いているが、各管理事業者に適切に使用料を支払う仕組みが始まっており、公取委が指摘した点はすでに解消されている。

 

 

(了)

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