民間放送とは

放送コンテンツの海外展開

 近年、コンテンツ流通に関する議論が多くの検討機関で行われており、特に多くのコンテンツを制作している放送事業者に対しては、 流通促進に向けた取り組みが求められています。

 

 日本の放送番組は、世界の中でも極めて優れたコンテンツであり、 これまでも、放送事業者は海外発信について最大限の努力を重ね、それなりの実績も残していますが、様々な障壁があり、 なかなか十分であるとは言い切れない状況にあります。

 

 韓国のドラマなどは、日本をはじめアジア各国で盛んに放送され、多くの視聴者の関心を集めていますが、その背景には、これらアジア各国が国策的にテレビ番組に対する援助を行うとともに、この種の国際コンテストやアウォードを展開し、 コンテンツ流通の促進を図っていることがあり、この面では、日本は大きく出遅れていると言わざるを得ません。

 

 こうした 状況を踏まえ、日本のテレビ番組の海外発信を推進するため、近年は様々な取り組みが行われています。

 

「放送コンテンツの海外展開」の動向

 日本の放送コンテンツの海外への輸出額は、2010年以降、増加傾向にあります。特に政府の「成長戦略」の一つとして、「放送コンテンツの海外展開」が打ち出された2013年以降は、大きく増加しています。

 

 放送コンテンツを海外に輸出する際には、①放送フォーマット(話数、放送時間など)、②権利処理の煩雑さ、③海賊版やネット上の違法コンテンツの横行など、日本特有の障壁があります。さらに、日本の場合は国内市場が大きく、海外展開の必然性がなかったことなどもあったため、海外展開はなかなか進展しない状況でした。

 

 しかし、今般の成長戦略を受け、政府が積極的な予算措置を行っていること、また、“地域経済活性化”の動きにより、地方局への支援が充実してきたことも功を奏し、海外展開に対するインセンティブが徐々に向上。さらに、実写(番組自体の放送権)に加え、リメイク・フォーマット販売(番組の企画内容をもとにした現地版制作権)が好調であることなども追い風になっています。

 

「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」の活動

 従来、放送コンテンツを海外に流通させる取り組みは、個社のビジネスとしてしか行われていませんでした。そのため、コンテンツ・ホルダー同士はライバル関係にあり、また、権利者とも利害を異にする面もあったため、流通を阻害する一つの要因になっていました。

 

 そうした状況を打開するため、2007年、民放連が中心となり、NHK、番組制作プロダクション、映画製作社、実演家団体、その他映像関連団体など、放送コンテンツに関わるすべての関係者が参加する形で「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」を創設。“オール・ジャパン体制”により、日本の放送コンテンツを海外に発信するための基盤構築を実現しました。

 

 「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」では、個社のビジネスとは一線を画し、日本の放送コンテンツを世界中にPRすることを旨として、海外展開を進めています。

 

 「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」の活動は、①東京ドラマアウォード、②海外コンテンツ見本市での展開、③Jシリーズ・フェスティバルの3つの柱で実施しています。

 

① 東京ドラマアウォード

 海外発信力がある日本のドラマを表彰するもので、2015年まで8年間開催しています。

 2014年からは、東京ドラマアウォード授賞式を収録し、国内およびアジア諸国(インドネシア、シンガポール、ミャンマー)での放送を実現しました。

② コンテンツ見本市展開

 世界各国のコンテンツ見本市への出展・イベント展開など、日本コンテンツのPR活動を行っています。

 これらにより日本のコンテンツへの注目度を高めるとともに、単独出展が困難なローカル局等に対する財政的支援、ノウハウの提供等により、各社の海外展開にも貢献しています。

③ Jシリーズ・フェスティバル

 アジアの特定国にターゲットを絞り、現地で俳優やアーチストによる大規模なイベント等を実施することによって日本のブームアップを図るものです。

 2013年にタイで開始し、タイおよびインドネシアにおいて計3回実施。いずれも大盛況となり、日本ブームの創出や、日本へのイン・バウンド効果に大きく貢献しています。

 

 このように、長年にわたる取り組みにより、各事業を通じた日本コンテンツへの関心が向上し、放送コンテンツの海外展開に大きく寄与しています。

 

 

Jシリーズ・フェスティバル(2016年6月、タイ・バンコク)

 

 

 

関連リンク Link