一般社団法人 日本民間放送連盟

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トピックス

「東北地方太平洋沖地震とメディア利用行動調査」の結果について

2011年3月30日
(社)日本民間放送連盟
 
「東北地方太平洋沖地震とメディア利用行動調査」の結果について

 社団法人 日本民間放送連盟〔民放連、会長=広瀬道貞・テレビ朝日顧問〕が3月23日から25日に東京、神奈川、埼玉で実施した標記調査の結果がまとまりましたので、お知らせいたします。


2011年3月
(社)日本民間放送連盟
 
東北地方太平洋沖地震とメディア利用行動
(民放連研究所2011年3月インターネット調査)

 3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震は、首都圏でも停電や交通機能のマヒなど、生活に大きな影響を及ぼした。ここでは、比較的被害が小さく震災直後に調査可能であった東京、神奈川、埼玉に住む人びとが、地震後にどのようなメディア利用行動をとったのかを明らかにする。

 

地震発生直後に接触したメディア~テレビが7割、停電の場合はラジオが4割~
 調査は、震度5前後の揺れを観測した関東地方にいた1,230人に対し、地震発生から1時間程度の間に、震源や余震、津波などの地震関連の情報に接したメディアをたずねた。全体でみると、「テレビ放送」と答えた人は58%と最も多く、「ワンセグ」(18%)と「データ放送」(4%)を含めるとテレビ全体では71%であった。次いで「ニュースサイト」に接した人が31%と多く、インターネット全体では38%であった。インターネットはテレビに次ぐ情報源になっている。ただし、ニュースサイトの情報ソースが主に放送局や新聞社などのマスメディアからのものであること考慮すれば、ほとんどの人がマスメディアの情報に接したとみなすことができよう(表1)。
 この結果を、地震発生時にいた場所別にみると、自宅にいた場合は「テレビ放送」(80%)が多く、会社や学校にいた場合は「ニュースサイト」(45%)が多い特徴がみられる。また、建物の外や電車・車などに乗っていたなどの屋外にいた場合は、テレビに次いで、「ラジオ放送」に接した人が多い傾向がみられた。
 なお、停電になったケースでは、「ラジオ放送」と答えた人が42%と最も多く、次いで「ワンセグ」が21%の順であった。

表1.地震発生から1時間の間に地震関連の情報に接したメディア(%)

地震発生から1時間の間に地震関連の情報に接したメディア
 
 

役に立ったメディア ~「ラジオは非常に役に立った」と利用者の約半数が回答~
 調査では、前述のメディア接触者に対し、メディアからの情報がどの程度役に立ったのかをたずねた。「非常に役に立った」と答えた人の割合をみると、ラジオ放送が46%、テレビ放送が44%で最も多く、ラジオ、テレビの有用性が改めて確認される結果となった。また、データ放送やワンセグについても利用者の3割以上が「非常に役に立った」と答えており、放送メディア全般が役立ったといえよう。
 一方、インターネットについては、掲示板、コミュニティサイト、Twitterなどが37%で非常に役に立ったとする人が多いものの、多くの人が接したニュースサイトは23%で、高い評価はされていない(表2)。

表2.地震発生から1時間の間に接触したメディアの有用性(%)

地震発生から1時間の間に接触したメディアの有用性
 
 

地震翌週のテレビ視聴 ~テレビの電源は常にオン~
 続いて、地震翌週(14日(月)~18日(金))のテレビによる地震関連情報の視聴時間をみると、1日平均3時間以上の人が58%と半数を超え、8時間以上の人も22%と多い傾向にあった。ふだんのテレビ視聴時間は、3時間以上の人が35%、8時間以上が4%であることと比べると、地震関連情報の視聴時間がふだんのテレビ視聴時間を上回り、テレビの電源が常にオンの状態であったと考えられる(表3)。

表3.テレビによる地震関連情報の視聴時間とふだんのテレビ視聴時間(%)

テレビによる地震関連情報の視聴時間とふだんのテレビ視聴時間

 表4に、テレビによる地震関連情報への視聴時間と被災者への募金行為の関連を示した。視聴時間が3時間を越える人の66%が募金をしていたのに対し3時間未満は56%と、視聴時間により募金行為に違いがみられた。ふだんのテレビ視聴時間と募金行為との関連は確認されないことから、地震関連情報の視聴が被災者への募金行為を促した可能性を指摘することができよう。

表4.テレビによる地震関連情報の視聴時間と募金行為(%)

テレビによる地震関連情報の視聴時間と募金行為
 
 

デマの伝播 ~マスメディアからの情報がデマを訂正~
 今回の地震では「石油施設の爆発により有害物質が雲などに付着し、雨などといっしょに降る」といったデマが広がった。このデマを見聞きした人は、全体の58%と半数を超えていた。デマの受信経路は「電子メール」が29%と最も多く、次いで「掲示板やコミュニティサイト、Twitter」(13%)と「その他のインターネット」(14%)を加えたインターネット全体が23%、「口頭(電話含む)」が14%であった(表5)。

表5.「石油施設の爆発により有害物質が降る」というデマの受信経路(%)

「石油施設の爆発により有害物質が降る」というデマの受信経路

 調査では、この情報を最初に見聞きしたときに、どの程度信用したのかたずねた。前述の受信経路別に「まったく信じなかった」人の割合をみると、電子メールや口頭で見聞きした人に比べ、掲示板やコミュニティサイト、Twitterなどのインターネットで見た人のほうが信じなかった人が多い傾向がみられた。つまり、電子メールや口頭といったパーソナルな関係を介して伝えられた情報のほうが信じられやすいと考えることができよう(表6)。

表6.「石油施設の爆発により有害物質が降る」というデマの受信経路と信用程度(%)

「石油施設の爆発により有害物質が降る」というデマの受信経路と信用程度

 さらに、この情報を発信したかどうか調べた。前述の信用程度別に発信した人の割合をみると、この情報を非常に信じた人では75%が発信したのに対し、まったく信じなかった人では2%とほとんど発信していない。つまり、情報の信用程度が高いほどその情報を発信する傾向があると考えられる。なお、発信経路は、電子メールや口頭が多い傾向にあった(表7)。

表7.「石油施設の爆発により有害物質が降る」というデマの信用程度と発信経路(%)

「石油施設の爆発により有害物質が降る」というデマの信用程度と発信経路

 最後に、この情報が事実ではないこと何を通じて知ったのかたずねた。情報がデマであることを伝えたメディアは「ニュースサイト」が13%、「掲示板やコミュニティサイト、Twitter」が13%などインターネットから知ったと答えた人が33%と最も多く、次いで「テレビ放送」が21%、会話(電話)が14%、「電子メール」が10%であった。電子メールや掲示板、コミュニティサイト、Twitterなどのデマを伝播したメディアが、他方でデマを訂正する役割を担っていると考えられる。
 また、テレビやラジオ、新聞に、マスメディアが主な情報ソースとなっているニュースサイトを含めると、マスメディアの情報でデマと知った人は37%と多い。さらにマスメディアの情報は、インターネットや電子メール、会話でやり取りされる情報のソースとなるケースが多いと考えられるため、放送や新聞などのマスメディアは見かけ以上にデマを訂正する役割を担っているといえよう(表8)。

表8.「石油施設の爆発により有害物質が降る」という情報がデマだと伝えたメディア(%)

「石油施設の爆発により有害物質が降る」という情報がデマだと伝えたメディア

 地震発生直後の状況をみると、ワンセグやデータ放送も含め、放送メディア全般が役にたったことが明らかとなった。停電などに強い堅牢なシステムであることに加え、放送局や新聞社といった信頼できるマスメディアの情報が求められたと考えられる。

民放連研究所調査の概要
・調査対象:15歳以上70歳未満の男女1,265人
 (ネット調査会社のモニタ会員)
・調査地域:東京都、神奈川県、埼玉県
・抽出方法:都県別人口(性年齢)構成による割当
・調査方法:インターネット調査
・調査時期:2011年3月23日~25日
(調査実施機関:マクロミル)
以上

この件に関する問い合わせ先:民放連〔研究所〕