一般社団法人 日本民間放送連盟

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表彰番組・事績

2024年日本民間放送連盟賞 グランプリ・準グランプリ

グランプリ、準グランプリは、ラジオ・テレビ別に番組部門全種目の最優秀とこれに次ぐ優秀1番組の計8番組を対象に選考が行われました。

  • ラジオ・グランプリ

    白線と青い海~早川さんと饒平名さんの730(ナナサンマル)~

    ラジオ沖縄

    ■番組内容:1978年、沖縄の道路を一夜にして右側通行から左側通行に変えた交通変更で一緒に働いた仲間を探してほしいという電話がきっかけ。前半は、困難と思いつつ呼びかけた生ワイド番組のダイジェスト。後半は、当時の取材音源も交え、運命の日の朝となった県民にも知られざる「730大作戦」を伝える。

    ■制作・取材・ナレーション・パーソナリティ 竹中知華、出演 早川 亨、饒平名知昭、プロデューサー 西中 隆

    【選考理由】
    リスナーが自分事のように人探しを手伝う姿に、ラジオというメディアが単なる一方通行ではなく、リアルタイムで人と人を繋ぐ存在であることを改めて感じた。丁寧な取材から得られた数々の証言が印象深く、730を知らない世代にも一大プロジェクトであったことがよくわかる構成である。歴史的事実がしっかりと語られている安心感と面白さがうまく絡み合った奇跡的ともいえるよい番組である。

  • ラジオ・準グランプリ

    リスタート~ギャンブル依存症回復への道~

    山梨放送

    ■番組内容:WHOが病気として定義し、誰もがかかりうる「ギャンブル依存症」。その実態と、回復をはかる依存症の人たちの現実を描く。依存症は個人の性格だけに起因できるものではなく、その人を取り巻く環境がその人に対して与えるプレッシャーや孤独感によるところが大きいことを明らかにしている。

    ■プロデューサー 荻野弘樹、ディレクター 秋山幸江、依田 司、ナレーション 小松千絵

    【選考理由】
    ギャンブル依存症という理解されにくい病を抱えた人も、一人の生活者として日々を生きている事実を再認識した。当事者の生々しい肉声を拾い上げ、ラジオを通じて多くの人に届けることで、ギャンブル依存症への理解を深める一助になる素晴らしい番組である。他者を理解することが社会の大きなテーマの一つであるなか、こうした番組の果たす役割は重要であり、当事者に肉迫する取材にも敬意を表する。

  • テレビ・グランプリ

    SBCスペシャル 78年目の和解~サンダカン死の行進・遺族の軌跡~

    信越放送

    ■番組内容:1945年に現マレーシア・ボルネオ島で起きた「サンダカン死の行進」。日本軍の無謀な移動命令によって、英豪軍の捕虜約2,400人のほか、日本兵や地元住民などが死亡した。元捕虜の親族や、戦犯として処刑された日本軍司令官の遺族など関係者20人余が戦跡をめぐり、真実と向き合った葛藤と軌跡を追った。

    ■プロデューサー 手塚孝典、ディレクター 湯本和寛、ナレーター 古畑あずみ、撮影 仲田周平

    【選考理由】
    被害者の立場だけでなく加害者の視点にも目を向けた秀逸な作品。平和の実現のためには、過去から目を背けることなく真実に向き合うことこそ重要であるとのメッセージが強く伝わった。メディアを通じて、戦争の記憶を継承していく粘り強い取り組みにも感銘を受けた。ローカル局の実力と志を実感した素晴らしいドキュメンタリーである。

  • テレビ・準グランプリ

    最高の教師 1年後、私は生徒に■された

    日本テレビ放送網

    ■番組内容:高校教師の九条里奈は、勤務する学校の卒業式当日、何者かに突き落とされる。地面に叩きつけられそうになる瞬間で、なぜか1年前の始業式にタイムリープし、担任するクラスの教壇の前に九条は立っていた――。自身が迎える1年後の未来、そして世界を変えるため、躊躇なく生徒たちの暗部に踏み込み、クラスで蔓延る陰湿ないじめなどの問題に対峙していく。

    ■プロデューサー 鈴木 努、秋元孝之、脚本 ツバキマサタカ、演出 鈴木勇馬

    【選考理由】
    同調圧力の空気感といった得体のしれないものが深刻ないじめを生むという怖さがリアリティをもって伝わり、真に人に寄り添うとはどういうことなのかを考えさせられた。制作者のなかにある切実さ、怒り、悲しみ、危機感を感じた。設定の斬新さに溺れることなく、硬派でストレートに人の心を描いている見事な作品である。