一般社団法人 日本民間放送連盟

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よりよい放送のために

字幕放送・解説放送

字幕放送および解説放送の概要

字幕放送とは

 聴覚に障害のある方々を対象に、ニュースや、ドラマのセリフやナレーションなどの音声情報を文字にして画面に表示する放送サービスです。最近では、音を大きく出せない場所でのテレビ視聴や、高齢者のテレビ視聴を補助する手段としても利用されています。

 

 デジタル化によりほとんどのテレビ受信機が対応しており、字幕放送を実施している番組では、テレビのリモコンで 「字幕」ボタンを押すと、テレビ画面に字幕が表示されます(※機種によって操作方法が異なる場合があります)。

 

 

 テレビ番組表で、 などのマークが付いている番組では字幕放送が実施されています。また、番組開始直後などに、画面上で 「字幕放送」 という告知スーパーが入ります。

 

 最近ではCMにも字幕を付与する広告主が徐々に増えてきています。(→詳しくはこちら

 

 

解説放送とは

 視覚に障害のある方々にテレビ番組をより楽しんでいただくために、映像に関する説明(出演者の表情、情景描写など)を、副音声によるナレーションで伝える放送サービスです。

 

 解説放送付きの番組を視聴している時にテレビの音声を「副音声」にすると利用できます。通常、テレビのリモコンの「音声切替」ボタンを使って、「副音声」に切り替えます(※機種によって操作方法が異なる場合があります)。

 

 テレビ番組表で解説放送は、 のほか、 のマークが付けられる場合があります。多くの放送局では、自社のウェブサイトで解説放送を実施している番組を紹介しています。生放送での実施が難しいため、ドラマ番組などが中心ですが、スポーツ中継で解説放送を行うなどの試みも始まっています。

 

 

視聴覚障害者等向け放送の普及の経緯

 【放送法抜粋】

(国内放送等の放送番組の編集等)

第4条第2項
放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けなければならない。

 

 平成9(1997)年の放送法の改正を受けて、郵政省(現 総務省)は同年11月に「字幕放送普及行政の指針」を策定し、向こう10年間で“新たに放送する字幕付与可能な放送番組のすべてに、字幕が付与される”ことを行政としての目標としました。

 

 平成19(2007)年10月には、解説放送の普及目標などを加えた「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」を新たに策定。平成29(2017)年度までに、▽指針の対象となる放送番組のすべてに字幕を付与、▽指針の対象となる放送番組の10%(NHK教育は15%)に解説放送を付与――との普及目標を定めました。さらに、同指針には、▽大規模災害などの緊急時については、できる限りすべての放送に字幕付与、▽手話放送の実施・充実に向けて、放送事業者ができる限りの取り組みを行うこと――が盛り込まれています。

 

 平成30(2018)年には、2018度から2027年度まで10年間の字幕放送・解説放送・手話放送の普及目標を定めた「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を新たに策定。字幕放送については、対象時間を拡大し、県域ローカル局や衛星放送にも数値目標が設定されました。解説放送は、県域局以外の地上民放13社とNHKの今後10年間の数値目標をそれまでの10%から15%以上に引き上げ、県域ローカル局や衛星放送にも努力目標が示されました。手話放送は、数値目標を県域局以外の地上民放13社とNHK(衛星を除く)で「週平均15分以上」としました。なお、令和5年(2023)年10月、総務省は中間的見直し行い、同指針を改定しましたが、字幕放送、解説放送、手話放送のいずれも、民放の普及目標の数値に変更はありません。

 

 テレビ各社は、こうした指針にそって、リアルタイム字幕を付与するニュース番組を増やすなどの取り組みを着実に進めています。令和5(2023)年度の字幕放送・解説放送などの放送実績は以下のとおりです(総務省発表資料を一部修正)。

 

 

【字幕放送】

 

 

「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」の普及目標の対象となる放送番組における字幕番組の割合

総放送時間に占める字幕放送時間の割合

在京キー5局

100.0%[±0.0㌽]

70.4%[+1.1㌽]

在阪準キー4局

100.0%[±0.0㌽]

68.7%[+0.2㌽]

在名広域4局

100.0%[±0.0㌽]

62.6%[+0.1㌽]

系列県域101局

89.4%[±0.0㌽]

58.1%[+0.5㌽]

独立県域13局

46.5%[+1.8㌽]

18.2%[+0.4㌽]

※ [  ]は対前年度比

 

【解説放送】

 

「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」の普及目標の対象となる放送番組における解説番組の割合

総放送時間に占める解説放送時間の割合

在京キー5局

19.9%[+0.7㌽]

7.4%[+0.6㌽]

在阪準キー4局

17.4%[+1.0㌽]

6.2%[+1.3㌽]

在名広域4局

21.9%[+1.6㌽]

6.1%[+0.6㌽]

系列県域101局

12.8%[+1.9㌽]

5.3%[+0.6㌽]

独立県域13局

1.4%[±0.0㌽]

0.6%[-0.1㌽]

※ [  ]は対前年度比

 

【手話放送】

 

1週間当たりの手話放送時間(1局当たりの平均)

在京キー5局

31分[+5分]

在阪準キー4局

19分[-1分]

在名広域4局

24分[±0分]

系列県域101局

23分[+1分]

独立県域13局

1時間23分[+1分]

※ [  ]は対前年度比

 

 

 民放連は、視聴覚障害者等向け放送の質の向上に向けて、障害者団体との意見交換や、各社共通の課題の整理、NHKとの情報共有などを引き続き進めていくこととしています。

 

以 上