一般社団法人 日本民間放送連盟

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会長会見

井上会長会見

【日 時】 平成28年6月10日(金) 午後4時~4時20分

【場 所】 ホテルニューオータニ ガーデンコート「シリウス」

 

冒頭、井上会長から、同日の定時総会および理事会で選任され、3期目の会長に就任したあいさつが述べられた。

 

会長3期目の課題について

◆記者:会長3期目となって、どのような課題に取り組むつもりなのか、うかがいたい。

◆井上会長:まず、熊本地震に際しては、被災者の方々に心よりお見舞い申しあげるとともに、放送がライフラインとしてきちんと機能したのかどうか検証し、今後に活かす必要があると感じた。これからも放送が自主・自律を旨とし、責任あるメディアとして視聴者・聴取者に受け入れられる媒体であるよう努力していきたい。

私は会長就任一期目から、テレビ・ラジオの媒体価値の向上を目標としてきた。インターネットや新しいデバイスが登場し、放送波以外でコンテンツを送る手段が増えており、これらをうまく取り込んで、様々な手段を用いながら、媒体価値を向上させていきたい。これは在京キー局だけでなく、ローカル局も同様に直面する課題だ。このようなメディア環境の変化の中で、それをうまく取り込んで、マネタイズしていかないと、番組を制作する体制が整わず、番組の品質が低下してしまう。そのためにも、この課題には精一杯取り組みたい。

 

 

テレビ番組のネット配信について

◆記者:テレビ番組のインターネット配信が多様化しているが、今後の展開についてどのようにお考えか。

◆井上会長:コンテンツを届けるための手段は、今後も増えていくだろう。しかし私たち放送事業者は、放送法を順守し、放送基準などの自主的なルールを定め、第三者機関として放送倫理・番組向上機構(BPO)を設置している。こういった対応を基本として、放送以外の分野でも信頼感のあるメディアを目指すことが大事だと考えている。そのうえで、どのようにマネタイズしていくかを考えたい。

 

 

選挙報道について

◆記者:前回の衆議院選挙の際には、自民党から在京テレビ局に対して選挙報道に関する「お願い文書」が出されたが、今回の参議院選挙にどのようなスタンスで臨むのか。また、同様の文書が出された場合には、どのように対応するのか。

◆井上会長:民放連が政党からそのような文書をもらったことはないが、文書を受け取るかどうかを含めて、対応は各社個々の判断である。「政治的に公平である」ことや「報道は事実を曲げない」といった放送法第4条の大原則に沿って、放送されるものと思う。報道委員会でも日常的に議論している。

 

 

4K放送について

◆記者:今夏から、BSによる4K試験放送が開始されるが、今後の見通しについて、どのようにお考えか。

◆井上会長:4K放送の技術やコンテンツ管理方式がはっきりしていない状態で、4K対応型のテレビ受像機の販売が先行しているのではないか。行政の事情もわかるが、放送事業者にとってのメリットがなければ進められない。実用放送のソフト事業者の公募・申請までに、もう少し議論が必要だと考えている。

 

 

オリンピック放送について

◆記者:リオデジャネイロ・オリンピックへの民放連としての対応はどうなっているのか。

◆井上会長:今回から新種目となっているゴルフの中継についても、準備を進めていると聞いている。なお、JCとして国内向けの4K放送は予定されておらず、今回は通常の2K放送のみの対応となる。2018年の平昌(ピョンチャン)冬季大会は、まだ具体的な放送計画は決まっていないと聞いている。

◆木村専務理事:現地の治安に不安もあるが、民放連として派遣スタッフの安全行動基準のひな形を作るなど、特に安全面に配慮しながら準備を進めている。また、民放オリンピック公式動画サイト「gorin.jp」などの取り組みにも力を入れる予定だ。

◆記者:オリンピックの放送権料が高額化しているが、どのようにお考えか。

◆井上会長:オリンピックに限らず、スポーツイベントの放送権料が高騰しているのは事実であり、非常に困っている。各社とも、大規模なスポーツイベントの放送は赤字になっているのではないか。

 

(了)