一般社団法人 日本民間放送連盟

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会長会見

2019.3.20大久保会長会見

【日 時】 2019年3月20日(水) 午後3時~3時35分

【場 所】 グランドアーク半蔵門 3階「光の間」

 

NHKの常時同時配信について

◆記者:放送法改正案が国会に提出された。あらためて、NHKの常時同時配信への考え方をうかがいたい。

◆大久保会長:NHKの常時同時配信をめぐる議論の中で、民放連は一貫して業務・受信料・ガバナンスの“三位一体改革”を求め、それが昨年夏の総務省・放送を巡る諸課題に関する検討会(諸課題検討会)第二次取りまとめの中である程度結実したと考えている。今回の放送法改正案はこの取りまとめに即したものであり、一歩前進した内容になっていると理解している。今後、国会審議の中でどのような論議が展開されるのか注視していきたい。NHKのインターネット活用業務は「放送の補完」として制度上認められているものである。補完であるからこそ、NHKは自ら定めるインターネット実施基準において費用の上限を設けて、それを守ってきた経緯がある。したがって、新たなサービスを始めるにしても、現行の基準であるインターネット活用業務の受信料収入2.5%を順守し、抑制的に運用するところから始めていただきたい。そうでなければNHKに対し、肥大化や業務拡大といった批判が起こりかねない。民放連は、NHKの業務に関して特に重視している8項目の要望を出しているので、それに照らし合わせながら、NHKの動きを今後とも関心を持って見守っていきたい。

◆記者:放送法改正案ではガバナンス強化も盛り込まれているが、どのようにお考えか。

◆大久保会長:ガバナンスの問題は8項目の中で私たちも指摘している。NHKがどのような対応をするか注視していきたい。

◆記者:諸課題検討会では常時同時配信を始める前提として民放との協調を掲げているが、これについて具体的に進めることはあるのか。

◆大久保会長:TVerへの参加やCDNに関する協力関係の構築がテーマとなる。これはキー局とNHKが協議している問題なのでコメントは控えるが、どのような動きになるか見守っている。

◆記者:2.5%上限の順守の前提となる会計区分の透明化については総務省でも対応しているが、一歩前進した内容とはそれも含めてのことか。

◆大久保会長:私たちが求めた区分経理の採用によるインターネット活用業務の“見える化”については対応していただけるものと思っているが、それがどのような内容になるかはこれからだと思っている。

◆記者:2.5%順守についてNHKは明確な回答をしていないが、その点についてどのようにお考えか。

◆大久保会長: 2019年度のインターネット活用業務費用を2.4%として予算を組んでいると聞いており、今後も2.5%という上限を順守していただけるものと思っている。

◆記者:NHKが公共メディアに転換していこうという中で、NHKのネットで果たす役割についての議論が不十分ではないかという指摘がある。これは二元体制にも関わってくると考えられるが、いかがか。

◆大久保会長:今国会で放送法改正が論議されるので、インターネット常時同時配信が実現することを前提に答えることは難しいが、抑制的にやっていただけるものと信じている。また、この問題と放送における二元体制の堅持とは直接リンクするものではないと考えている。

◆記者:民放とNHKが共通プラットフォームを作ってネット配信をしてはどうかという議論があるが、検討状況はいかがか。

◆大久保会長:現在それに向けて具体的な動きがあるとは聞いていない。ただ、キー局がTVerへの参加をNHKに求め、それに対しNHKが協力しようと述べている。TVerがより多くの視聴者に関心を持ってもらい、それがリアルタイムの放送の視聴者増加につながることを期待している。

 

 

民放テレビ・ラジオの広告収入について

◆記者:2月28日に発表された電通「日本の広告費」では、2018年にインターネット広告費がテレビ広告費にほぼ肩を並べる規模にまで成長したとされている。これからの民放テレビ・ラジオの広告収入は、どう推移するとお考えか。

◆大久保会長:日本の広告費に関する電通の推計では、2018年においてテレビ広告費とインターネット広告費がほぼ肩を並べるところまできたことは事実である。民放連研究所の予測では、今年、インターネット広告費がテレビ広告費を上回った後、その差はその後拡大していくのではないかとしている。このような予測も踏まえ、インターネット広告費とテレビの広告費の差が拡大することを出来るだけ防ぎ、テレビ広告費が持ち直すような対策を考えたい。そのためには、テレビの広告媒体としての価値を高めていくことが重要である。(現行の)視聴率だけでなく、広告主がもっと納得出来る指標を私たち自身も開発していかなくてはならないと思っている。インターネット広告よりテレビ広告の方が価値があるということをどのように示していけるかが、私たちにとって大きな課題である。

◆記者:広告媒体の価値向上のための新しい指標とは、具体的にどのようなことを想定しているのか。

◆大久保会長:「放送の価値向上・未来像に関する民放連の施策」にも挙げており、議論が始まったところである。それとは別にキー局では議論がかなり進んでいると聞いている。広告主にとってより納得感のある指標を提示することの必要性については、ほぼ業界の共通認識になっている。議論が続いており、具体的にはどのようなものになるかはまだ答える段階にない。

 

 

平成を振り返って

◆記者:間もなく改元を迎え、新しい時代となるが、平成という時代を振り返って、どのようにお感じか。

◆大久保会長:放送の世界で言えば、BSデジタル放送開始、放送・倫理番組向上機構〔BPO〕・放送倫理検証委員会の設置などあったが、一番大きい出来事は地デジへの移行であったと思う。また、昨年末からは新4K8K衛星放送がスタートした。技術革新が急速に進展し、それにどう対応するか。民放業界にとっては試練の連続の時代であったと思う。

 

 

憲法改正国民投票運動CMについて

◆記者:投票日の14日前までの期間において、国民投票運動CMの量的な自主規制を行わない、との決定に至るには、どのような議論があったのか。

◆大久保会長:検討の過程も明らかにするかどうかまでは議論をしておらず、開示する予定はないとしか言いようがない。

◆記者:ガイドラインは、民放各社の悩みにどれくらい答える内容なのか。

◆大久保会長:会員各社が自主的に判断するための参考資料という位置付けである。

◆記者:14日前までの自主規制に関する政党の意見については、どうお考えか。

◆大久保会長:政党にも、政党間で量的な自主規制を決めたらどうか、との意見があると承知している。

◆記者:法律でスポットCMを全面禁止すべきという意見もある。

◆大久保会長:各党の法改正の意見について、コメントする立場ではない。国会での議論を見守りたい。CMとはどういうものかを基本的に理解したうえで、議論していただけると、ありがたい。

 

(了)